闘病日記

膵臓癌と闘うため 国立がん研究センター東病院へ

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膵臓癌と闘うため 国立がん研究センター東病院へ

妻の即決で治療の場所を千葉県の国立がん研究センター東病院へ移すことになりました。

当日は子供を妻の友達に預け、

(朝早くから申し訳ございませんでした…)

 

 

~夫婦2人で高速道路に乗り、千葉県へ~

10時からの予約でしたが、8:45には到着していました。

ロビーも綺麗でとにかく、大きい!!

(すいません稚拙な表現で…)

妻が色々と受付を巡ってくれている間、

一週間分の入院準備が入ったスーツケースを隣に置き、一人椅子に座って周りを見渡します。

どきどき…。

 

中には小学生くらいの子供もいましたし、もちろん私と同じ年程の方も多くいらっしゃいました。

皆さん、癌なんですよね…

ここにいらっしゃるという事は…

そういうことですよね。

なんでそんなに普通なんですか⁉

圧倒されました、オドオドしているのは多分私ら夫婦だけ。

1~2歳程の子供を抱っこして来ていらっしゃる、ニコニコ笑顔の女性の方もいました。

ん…

そうなのか?

3人に1人の時代が終わり、今や癌は2人に1人の時代になったとは言え…。

“午前中だけ仕事休んで、風邪気味なのでちょっと近くの病院に来ました。はい、もちろん昼から仕事です。”

くらいの感じに見えます。

いえ。もちろんそんな事ないのでしょう。

その方たちも本当に大変な思いをされてここにいらっしゃるんでしょう。

ただ、あまりにも自分たちが

“この世の終わり”

くらいの感じでがんセンターに行ったから。

自分たちにはそう見えたのでしょう。

“そんなに気負う病気じゃないのか⁉”

と思えてきました。

 

何か根拠の全くない自信が出てきたのをはっきり覚えています。

受付で首からぶら下げるガラケーのような携帯電話を渡されます。

“そろそろあなたが呼ばれますよ~〇番の診察室の近くにいて下さい~”

“○○さん、▲番の診察室へお入りください”

とかは全部これに、ポケベルのようにメッセージで知らされます。

名前で呼ばれる事は無いそうです。

1週間分の荷物が入ったスーツケースを押しながら

まず放射線受付で紹介状・CDの入った封筒を提出し、

肝胆膵内科の受付へ。

予約しているとは言え、2時間ほど待ちました。

途中、巨大なスーツケースを見かねた看護師さんから、

『預かっておきますよ。』と声を掛けて頂き、とんでもなく重いスーツケースとは一旦お別れしました。

(すいません、邪魔にならない所に置いていたのですが。邪魔だったんですよね。多分…)

ようやく呼ばれて診察室の中へ。

『どうぞ。お座りください』

先生は声を掛けて下さいましたが、

ずっと紹介状と一緒に持って来たCDに入っていたCT画像を見ています。

“…うわ。何か他に見付かったのかな。”

と思っていると。

『すいませんお待たせしました。まずは初めに病院に行ったところから全部お話下さい。』

「昨年の〇月くらいから背中とお腹と痛く(中略)・・・結果、すい臓がんだと診断を受けて今ここにいます。」

 

先生

『あぁもうそこまで聞いているんですね。』

 

分かりました。では説明します。一番大きな腫瘍は3.3cm。これは切れますね。』

・・・えっ

夫婦で顔を見合わせ喜びました。

…が

『このすぐ横のリンパに飛んでる腫瘍が1.3cmと〇mm。これが切れるかは外科の先生と話します。』

「え!!リンパ??」

どこにも飛んでいないと思っていたので一気に落ちました。

妻が聞きます

「ステージで言うと、どれくらいですか?」

 

 

ステージ⁇。付けるなら③でしょうね。

 

でもステージは関係ありません。 

抗がん剤が効くか?

効かないか?

それだけです。

 

“生きる”という事を優先しなければいけませんから、

まずは“飛ばない事”

を優先して治療します。

 

手術はその後になるかと。

私は一番強い抗がん剤から入ることを○○さんに勧めますし、今日の会議でも私はそう提案する予定です。

今日はこの後、血液検査・CTだけ撮ります。』

「分かりました。よろしくお願いします。」

『では次は1月9日の朝、何も食べずに来て下さい。超音波内視鏡を受けてもらいます。

その日は1日入院してもらって、次の日朝一番でMRIを撮って退院となりますが宜しいですか?』

 

「え。今日から入院では…?」

『いえ。入院はそんなすぐに出来ません。9日に来てください。』

え。スーツケース。

中にはパンパンに荷物が…1週間分の…

そもそも思い返すと、なぜ

紹介状を書いてもらった=入院

の等式が完成したのか。

答えは出ていません。

預けたのを忘れて帰るところでした。



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